真夜中のティータイム

めずらしいお菓子を頂くと、私は子どもにウソをつく悪い母親になる。

「あっこれは・・・ちょっとカラいお菓子だね。ほらここに、か・ら・い・で・す、と書いてあるよ」

「ホントに?」と子ども。

「ホント、ホント、じゃ高いところにしまっておこう」

 そして深夜。子どもたちが寝静まったのを見計らって、そうっとお菓子の缶を開ける。飲み物は何にしようか。ダージリン、ハーブティー、ロイヤルミルクティー、お気に入りの豆で作っておいたアイスコーヒー。時には緑茶もいい。一日中誰かのために時間を使ってきた私が、素顔を取り戻す。○○君のお母さんでもない、○○さんの奥さんでもない、株式会社何某の○○さんでもない、自分自身と向き合う。

 友達からのメールに返事を書いたり、ヘッドホンをかけてどっぷりCDにひたりこんだり、自分の未来のために勉強したり。人生まだまだ先は長いのだし。これから一花咲かせてやろうとたくらんでいる。

 この時間があるから、明日の朝また明るく「オハヨー」と言えるのだ。眠る時間は少なくなるが、気持ちにハリができて意外と疲れは感じない。お菓子がなくても夜更かしはできるが、ごほうび感は半減する。何かのコマーシャルではないけれど「がんばってるもん、主婦。」ダイヤモンドに比べれば安いものだ。多少良心は痛むけれど。

 あとは歯磨きを忘れずに、おやすみなさい。