もっとがんばらないで


  わが家はいつもどこかが散らかっています。洗濯物は山積み、料理はワンパターン。そう、私は家事が嫌いなのです。「家事なんて誰でもできること」「家族への愛情があれば苦にならないはず」。そう言われるとつらいのです。誰にでもできるはずのことを、ちゃんとできない私が、本当にダメな人間のように思えてきます。

 お母さんの通信簿があったらコワイと思いませんか。私ならきっと、料理も掃除も洗濯も、どの項目にも「もっとがんばりましょう」が並ぶに違いありません。そこまで考えて、ふと思いつきました。この窮屈さは、息子が今学校で感じているものなのかもしれない。勉強があまり好きではなく、特にきらいな科目はやっとのことでついていっているようです。時々学校へ行くのが「しんどい」と言って休んでしまうこともあります。担任の先生は熱心な方で、何かにつけ褒め、励まし、個性を認める指導をして下さっています。しかし学校が勉強をする場である以上、苦手な科目も「がんばる」ことが求められているのです。どんなにオブラートに包んでも、それは変わりのないことです。

 女は家事をするもの、という価値観にしばられている私が窮屈なのと同じように、子供は勉強するべきだという価値観にしばられている子供も窮屈なのでしょう。何にせよ、一つの物差ししか持たない世界は窮屈です。そう考えると子供の「しんどい」が少しわかったような気がします。がんばらなくて、いいんだよ。そのままの自分が、ステキだよ。息子にも自分にも、そう言い聞かせて、自分を大切に生きたいと思います。